- サイバーセキュリティ・リーダーシップ
- 3月 24, 2025
英国のCyberFirstプログラムに学ぶ:サイバーセキュリティ人材育成の成功モデル
日本のサイバーセキュリティ教育を変革する可能性

サイバーセキュリティ人材の不足が深刻化する中、日本は英国の「CyberFirst」イニシアチブを成功モデルとして、その知見を取り入れることが可能でしょう。英国国家サイバーセキュリティセンター(NCSC)が2015年に立ち上げたCyberFirstは、サイバーセキュリティ人材の育成を支える英国の中核的な戦略となっています。この先進的なモデルはどのように機能しているのでしょうか。また、日本はその成功からどのような教訓を得て、それを国内のニーズに合わせてどのように応用できるのでしょうか。その可能性を探ります。
CyberFirstでは、包括的なアプローチを通じて、早い段階からサイバーセキュリティの概念に触れる機会を提供することに注力しています。学校と連携し、カリキュラムや実践的な学習の場をプログラムとして展開することで、将来のキャリア選択を控えた学生の関心を引き出す仕組みを整えています。また、日本の中学校に相当する教育機関を含む認定校が活動拠点となり、サイバーセキュリティ教育の全国的なネットワークを構築しています。
CyberFirstが特に力を入れているのが多様性の推進です。たとえば、「CyberFirst Girls Competition」などの取り組みを通じて、女性の積極的な参加を促し、テクノロジー分野における男女格差の是正を目指しています。その成果は確実に現れており、2023年には女性向け奨学金の受給者数が過去最高を記録し、より多様な人材が育成される環境が整いつつあります。
また、民間企業との連携もCyberFirstの重要な柱のひとつです。IBM、HSBC、そして我々NCDなど、100社以上の企業とパートナーシップを結び、リソースの提供や業界の専門家の派遣、実践的なレッスンを実施しています。この官民連携モデルにより、学びの質を向上させるだけでなく、教育から就職への直接的なルートを確立し、即戦力となるサイバーセキュリティ人材を育成しています。
日本がCyberFirstモデルを導入するためには、国内の課題やニーズに対応した最適化が必要不可欠です。その鍵の一つは、地域ごとにサイバーセキュリティ教育の拠点を整備し、全国に学びの機会を広げることです。さらに、企業を戦略的パートナーとして迎え入れることで、必要なリソースや支援を確保し、持続可能な教育基盤を構築することが可能になります。
英国の成功事例が示すのは、人材不足の解消が単なる人員の拡充だけではなく、社会全体でサイバーセキュリティの重要性を認識し、それを文化として根付かせることが鍵であるという点です。初等教育から始まる体系的な学習機会の提供、官民の連携強化、そして実践的なスキル習得を支援する総合的なアプローチが必要とされています。こうした教訓を活かすことで、日本は単なる人材不足の解消にとどまらず、未来を見据えた強固なサイバーセキュリティ人材の育成基盤を構築できるでしょう。
日本サイバーディフェンス(NCD)は、ジョン・ノーブルCBE、ジェレミー・フレミング卿、ドゥーギー・グラント、ジェイミー・サンダース博士といった専門家の知見を活かし、持続可能な人材育成と国家のセキュリティ強化を推進しています。日本のデジタル未来を守るために、是非ご協力ください。
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サイバー成熟度評価
日本サイバーディフェンス株式会社(NCD)では、組織のサイバーセキュリティ能力を包括的に診断する「サイバー成熟度評価サービス」を提供しています。このサービスは、現状の課題や強みを明確化し、組織が直面するリスクに対して最適な対策を講じるための土台を築くものです。さらに、全体的なセキュリティ態勢を強化するための戦略的なロードマップをご提案し、実効性のある改善計画をサポートします。
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