NCDと静岡市が戦略的連携協定の締結を発表 : 「日本サイバー静岡センター・オブ・エクセレンス(NCSCOE)」設立へ
ハイライト:
- NCDと静岡市が戦略的連携協定を締結
- デジタル、AI、サイバーセキュリティ分野のイノベーション拠点「日本サイバー静岡センター・オブ・エクセレンス(NCSCOE)」を設立
- 静岡市内に先進的AIモニタリングセンターを設置
- 教育の提供、独自の奨学金制度、雇用の拡大を通じた地域人材育成に注力
- 長期的ビジョンとして静岡県を日本のサイバー・デジタルイノベーションの主要拠点に位置付け
2025年12月24日、日本サイバーディフェンス株式会社(NCD)は静岡市庁舎において開催された静岡市との戦略的連携協定締結式において、カータン・マクラクリン社長と難波静岡市長との間で戦略的連携協定に調印し、地域のデジタル、AI、サイバーセキュリティ能力強化に向けた大規模プロジェクトの始動を発表しました。
日本はサイバーセキュリティ人材の不足という喫緊の課題に直面しています。
難波喬司 静岡市長
本連携協定の中心となるのは、静岡における新たなサイバーセキュリティ拠点「日本サイバー静岡センター・オブ・エクセレンス(NCSCOE)」の設立です。イノベーションの促進、人材育成、そして持続的な経済成長を静岡にもたらすことを目的に、地方自治体、学術機関、静岡銀行を含む産業界のパートナーとの連携のもとで進められる予定で、本構想の実現にあたっては特に静岡銀行に多大なるご支援・ご協力を頂いております。
NCSCOEの設立は、NCDがアイルランドやイギリスでの成功事例から着想を得たものです。これらの国では、政府・学術界・産業界が緊密かつ継続的に連携したことで、サイバーセキュリティ拠点が地域経済の発展を促してきました。本プロジェクトでは、こうした成功モデルを参考にしつつ、静岡ならではの強みを生かし、国際的な視点を取り入れながらも地域に根ざしたセンター・オブ・エクセレンスの確立をめざします。
本プロジェクトの中核は、ホテルアソシア静岡の敷地内(JR静岡駅徒歩1分)に設置される先進的AIモニタリングセンター(通称セキュリティ・オペレーションズ・センター、略して SOC)です。先進的AIモニタリングセンターを中心に、先進的なサイバーセキュリティ運用、AI活用プロジェクト、高度な専門人材を統合し、静岡地域におけるサイバーセキュリティ・エコシステムの基盤となる拠点の形成を図ります。同時に、技術面にとどまらず、静岡市および市民に対して長期的な経済的・社会的価値を提供することをめざします。
また、本構想における重要な柱の一つが、教育の提供と人材育成です。NCD独自の奨学金プログラムを設立し、静岡大学をはじめとする地域の大学との連携を強化することで、優秀な学生を支援・誘致し、若者が静岡で学ぶ機会を広げます。
さらに、大学に加えて、高専や高校との連携も強化し、サイバーセキュリティ、AI、デジタル技術に関する質の高い教育と、インターンシップや実務経験を通じた実践的な学びの機会を提供します。静岡で育った人材が地元でキャリアを積み、地域経済の発展に寄与することが期待されます。
日本のサイバー防御力の強化に貢献し、
静岡をこの国家的取り組みの中心的拠点にしたいと考えています。
カータン・マクラクリン 日本サイバーディフェンスCEO
また、本プロジェクトは、地域の成長にとどまらず、日本全体にとっても重要な取り組みです。サイバーセキュリティは、日本における国家的な優先課題であり、サイバー脅威が高度化・拡大する中で、熟練した人材の不足は深刻な課題となっています。NCSCOEの設立を通じて、日本のサイバー・レジリエンス強化に貢献するとともに、静岡をこの国家的取り組みの最前線に位置づけることをめざします。
連携協定は小さな一歩かもしれませんが、静岡と日本のサイバー
セキュリティ・エコシステムに大きな変革をもたらす可能性を秘めています。
難波喬司 静岡市長
本協定は、NCDと静岡市の長期的パートナーシップにおける第一歩を意味します。また、将来的にはNCSCOEを基盤としたより広範なイノベーション・エコシステム、いわば「未来の静岡サイバーシティ」ともいえる構想の実現を、両者はめざしています。このエコシステムは、データセンターインフラの整備をはじめとする戦略的プロジェクトを支援するとともに、DX・AI・サイバーセキュリティ関連企業の誘致を通じて地域のビジネス成長を促進し、高付加価値の雇用創出にも寄与することが期待されています。
会見の締めくくりとして、NCDのCEOであるカータン・マクラクリンは、静岡市、静岡銀行、ホテルアソシア静岡の支援に感謝の意を表するとともに、難波市長および静岡フィナンシャルグループの中西会長に対し、静岡の未来に向けたリーダーシップと献身に特別な謝意を表しました。